皆の衆はかりんとうを喰うじゃろうか?
源さんは「かりんとう」がたいそう好きである。
「かりんとう」は「えびせん」も「ポテトチップス」もなかった頃からある庶民のお菓子じゃ。
(一部かりんとう以外の菓子も混ざっておるが、気にするでないぞ)
かりんとうは小麦粉を砂糖・水・イースト・食塩・重曹などと共に練って棒状にした生地を植物油で揚げ、黒砂糖や白砂糖で作った蜜をからめた和菓子の一種じゃな。 最近では胡麻の実、抹茶、大豆、そば粉、ピーナッツ、緑黄色野菜など様々な食材を生地に練り込んだモノも売られておる。
素朴な菓子であるため、どこで買ってもそれなりに喰えるのがこの菓子の良いところなのじゃが、いろいろなコト・モノにこだわるワシには、かりんとうにも実はこだわりがある。
それが「かりんとう饅頭」じゃ。
かつて道の駅・木曽福島でたまたま喰ったかりんとう饅頭は甘さも食感も絶妙であり、それを越えるモノにはワシの長い放浪人生においても未だに出会っておらぬ。
2013年4月に岐阜を放浪した際には、それを喰いたくてわざわざ遠回りしてまで道の駅・木曽福島に立寄ったものじゃ。
その時にはそればかりでなく、いずれ「お取り寄せ」する日のために、その製造元である巴御前本舗を探してさまよい、 ついに所在地を特定するに至ったのじゃ!!
このかりんとう饅頭には、それくらい価値があるのじゃよ。
ワシらがたい焼きをよく買う近所(神田神保町)の達磨でもかりんとう饅頭を売っているのじゃが、 木曽のモノにははるかに及ばない。
因みに、たい焼きの達磨は和菓子を売る時には「嘉祥庵」なるブランド となるようじゃ。
達磨でかりんとう饅頭を作っている職人と先日話す機会があったゆえ、「木曽のかりんとう饅頭は最高!! それと同等のモノを作ってくれれば、いくらでも買う」と言ってやったわい。 そいつは「あそこは本場ですからねぇ・・」と不戦敗の体であった。
簡単に言えば、巷でよく見かけるかりんとう饅頭は饅頭をただ揚げただけ、表面のカリッと感もホンの気持ち程度であるのに対し、木曽のかりんとう饅頭はかりんとうの中に餡子が入っている(と思える)ほどカリッと感が持続するという違いがあるのじゃ。
味も巷のモノは饅頭の甘さを継承していてかなり甘いのに対し、木曽のモノは表面の甘さと中の餡子の甘さ(控え目)のバランスが極めてよろしい。
「発祥の地は福島」と世間では言われておるゆえ、実は木曽も本場ではなく、それを越えるモノが他にもあるかも知れぬが、とにかく現時点では木曽が最高であるとワシは思っておる。
これからも放浪を続けていれば、いずれは福島のかりんとう饅頭にも出会うことがあるじゃろう。
未知なるものとの出会い、それが放浪の醍醐味よのぅ。
どうじゃな、ほれ、そこの坊主もたまには出かけてみてはどうかの? そして、出かけたら、すかさずここにアップするのじゃぞ。
おぉ、それから、これはシリーズものではないぞよ。