私はまだ「家系ラーメン」というものを食したことがない。 スープは豚骨醤油だと聞いており、まぁなんとなく想像できるのだが、どうもそのスープ の色が気になる。 064が取材した画像などを見ていると、まるでインスタント・ラー メンのような色だと思えるのだが、実際の味はどうなのか? 一方で、私はラーメン屋を訪ねる度に餃子にもトライしているのだが「これは!」という 一品には未だに巡り合えておらず、どこか美味い餃子はないものかとの思いが強くなって いた。 そんな時「港南台にある寺田屋の餃子はいける」との情報を得たのである。 私はここ数か月の間に既に4軒ものラーメン屋を訪ねており、いささかラーメンにも飽き 気味であるが、上記のような探究心をくすぐる事情があり、今回その寺田屋に行ってみた。 正確に数えていないが、この店にはカウンター席が14程度しかないようだ。 ちょうど 夕方5時頃、私が店に入った時点で席は半分ほど空いていたのだが、私と前後して2組の 家族連れがやって来たために、満席になってしまった。 カウンターの中では、オニイチャンとオバチャンの2人で切り盛りしている。 威勢は たいしたことなく、むしろ黙々と作業するという感じであるが、2人とも慣れた手付きで 次々と注文をさばいていく様子は、見ていて気持ちがいい。 まずオニイチャンがドンブリに醤油を入れ、次に何か油のようなものを入れ、それに豚骨 スープを加えている。 さらに茹でたラーメンの湯をしっかり切り、ドンブリに移す。 それをオバチャンが受け取り、具と海苔を盛りつけるという分担で、手際よくラーメンが 作られる。 そんなことを観察しているうちにラーメンができてきた。 やはりスープはインスタント・ ラーメン風の色をしている。 麺はかなり太めのストレート。 具としてはチャーシュー 2枚とほうれん草と輪切りのネギがオマケ程度に浮いている。 それに家系のシンボルで あるパリパリの海苔が3枚添えてある。 まずはスープを一口飲んでみる。 ふーん、どちらかといえば醤油味だな。 「豚骨醤油」 から連想していたほど豚骨の味はしない。 醤油ラーメンが好きな人には違和感がないだ ろうが、醤油より豚骨が好きな私にはちょっと物足りない。 太めでストレートの麺はなかなかいける。 スープの味もしっかり乗っていて、けっこう 良いと思う。 スープの味がイマイチ私の好みではないが、まっしかし良いのじゃないかな。 チャーシューは・・ちょっと固い。 味はなんとか感じられる程度。 もう少し柔らかくて ジューシーだったらいいのに。 ほうれん草とネギは・・どうせオマケでしょう。 どうでもいいやって感じ。 さてと、海苔をどうしたものか?? 海苔だけ食べても芸がないし・・ちょいと難しいが、 麺を海苔で巻いて食べてみた。 ふーん、まぁいいや、面倒なだけだなぁ。 海苔なんて いらないから玉子にして欲しいな・・そりゃ無理か? お隣さんには青ネギラーメンがやってきた。 おぉっ、おびただしいほどの青ネギが乗って いる! ドンブリの表面が青ネギによって覆い尽くされ、スープも麺も見えやしない! しかし、ただの青ネギなんでしょ、そんなに喰ってどーすんのよ?? なになに、風邪の 予防に良いだと・・へぇー・・しかしそこまでやるかぁ〜!? でっ、餃子はどうなのよ? おぉっ、皮が薄くて中身が透けて見える。 ニンニクは入って いないのだと壁に説明書きが貼ってある。 一口食べてみると・・ほぉー、まったしかに余所の餃子に較べりゃマシかな。 かすかに 甘味も感じられる。 ただ、肉の量がちょいと少なくはないか? 春雨を入れて肉の量を 節約しているのかな? 確かに、説明書きにあるように「それだけ」でも食べれるし、好みに応じてタレを付ければ、 それなりにいける味だとは思う。 しかし、肉の量をもっと増やし、ジューシーさを引き出 して欲しいと思う。 味噌、醤油、塩、豚骨、鶏ガラ、野菜などなど、ラーメンのスープにはいろいろあるが、 私は醤油をあまり好きではない。 そんな私にとって、少なくともここの豚骨醤油は、どちらかというと醤油に近いため、 積極的に食べてみようという気にはならないと思う。 家系の全てがそうなのかは分からないが、またラーメンそのものを不味いとは思わないが、 たぶん私はもう家系には行かないだろう。