064が持っているラーメン屋のガイドブックを前もってチェックした。 「周囲を気にせず替え玉を注文できる」・・何のこっちゃ?? その時点では、私はその 意味が分からなかった。 道に迷って到着が遅れた同士を待ちながら、店の前で観察する。 既に夜11時を過ぎているというのに、客がひっきりなしに出入りしている。 ほぉーぅ、 こりゃ凄い人気じゃないか。 外に設置されている券売機で食券を買って店に入る。 厨房も客席も何も見えない。 うむむ、なんだこりゃ? 直接は見えないが、どうやら中央部分に厨房があり、客席は左右に分かれているようだ。 そして、客席の空き具合がランプの点灯によって表示されている。 おぉ、ちょうど巧い具合に3席がまとまって空いた。 それ今だ。 客席は一人分ずつ板で仕切られており、そこに座ると左右にどんな客がいるのかまったく 見えなくなる。 正面にわずかに開いた隙間から、厨房の一部とそこを行き来する店員だけが見える。 その向こうには反対側の客席があるのだが、食べている最中は暖簾が下ろされているので、 客の顔や仕草は見ることができない。 店員に用がある時にも、目の前にある呼び鈴のスゥィッチに触れるだけでよい。 なるほど、こりゃ確かに、声を一言も発せずに、誰にも知られずに替え玉を注文することが できる。 大食いの女性でも(そんなのいるか?)、あるいは064が二つ目の替え玉を注文するにも、 恥ずかしくないっちゅうわけだな。 ガイドブックに書かれた意味がやっと分かった。 ふーむ、こりゃ面白い。 ここには「ラーメン」しかないが、スープの濃さや麺の硬さを客毎に指定できるシステムの ようだ。 それらのオプションを紙に記し店員に渡すのだ。 私はこってり度だけ「こってり」を選び、あとのオプションは全て「基本」を選択した。 店員がすかさず「ご一緒にゆで玉子はどうですか」と聞いてくる。 玉子には弱いのよねぇ。 当然「いただきます」と答え、¥100を渡す。 ラーメンを待ちながら、玉子の殻を剥く。 ほぉぅ、玉子がプヨプヨしていて柔らかい。 この半熟具合は絶妙ではないか! この分だと、ラーメンも期待できるかな。 では、ラーメンを食べてみよう・・ 一目見て表面に油が浮いていたので、私はかき混ぜてしまったが、実はかき混ぜる前にまず スープを一口飲むのが正解だったと後で分かった。 ふむふむ、想像していた豚骨とは違うが、これはこれで美味い。 欲を言えば、麺自体にもう少し甘味があるとよいのじゃないかな。 それと、中央に乗って いる辛子は・・私にはなくてもいいと感じられる。 ない方が豚骨の味をより楽しめると思う。 辛子は好みに応じて乗せる方式にすればいいの に・・まっ、辛子を乗せることが店のこだわりなのであろう。 玉子も食べてみる。 うん、いいぞ! 思った通りの、いい半熟具合だ。 半分ほど食べて、残りはラーメンの中に入れる。 無心に食べていると・・麺があっという間になくなった。 もぅちょっと食べたい気もしたが・・止めておいた。 この後珍道中が待っているし、なにより昼にも坦々麺を食べているから、いつゴロゴロさん が来るとも限らない。 転ばぬ先の杖、長生きの秘訣だね!? 代わりにスープを掬って飲む。 うんうん、いけるいける・・いけるかな・・いければ・・ ありゃりゃ、この味は・・何か人工的な調味料を使ってないか?? 確信はないし、ただ飽きただけかもしれないが、フトそう感じた。 辛子をデフォゥルトでなくオプション化すればと感じる以外は、総じて美味いラーメンだと 思う。 客が入れ代わり立ち代わり入るのも納得。 来る度に違ったオプションを選択し、やがては自分に最適な味を発見できるという楽しみ方 もありだね。 画像は、ラーメン(左)とゆで玉子(右)をアップ。