どうも最近、胃の調子がよくない。 きっと、昼にロクでもないものを喰っているせいだ。 こういう時には、自然と「ちゃんとした」和食が食べたくなる。 つい先日、AENに行ったので、今日は「ぎをん」に行ってみよう。 まずは事前に電話で確認して・・ラッキーなことに、テーブル席を確保! 相変わらず、 私の心がけが良いという証拠だね。 いつものとおり、着物姿のオネーサンが迎えてくれる。 今日は比較的空いているようだ。 オネーサンも「こんな日は寂しいですぅ」と言う。 あーぁ、こんなオネーサンにそんな こと言われたら、来るしかないじゃん! 4人掛けのテーブルが2つ置かれ、薄い簾で仕切られた空間に案内される。 こういう空間 にいると、ほんとうに落ち着く。 幸いなことに他に客はいないから、店内やメニューや料理を撮影するにも気兼ねする必要が ない。 胃の調子が悪い時には、身体に優しいもの=自然志向のもの=野菜もの=葉っぱもの、が 無意識のうちにも欲しくなる。 メニューを見たところ見慣れない「葉っぱもの」がいろいろあったので、即それに決める。 また「柔らかい肉を食べたい」とも思っていたところ、それを見透かしたような品を見つけた ので、これまた即決。 結果は次のとおりである。 - 芯取菜の芥子醤油和え (¥580) - すぐき菜のお浸し (¥630) - 小松菜の山葵醤油和え (¥600) - 宮城県産特選和牛カルビ (¥2,500) - 地鶏玉子の出し巻き (¥850) - 焼き飯茶漬け (¥680) 「芯取菜やすぐき菜のように、あまり注文されない品に注文が入ると、板長が喜ぶ」と注文を 取っていたオネーサンが教えてくれた。 せっかく仕入れたとかいう理由よりも、板長として の腕が奮えるからであろう。 まっ、そうなんだろうね。 私としては、オネーサンに喜んでもらいたいところだが・・ (何を??) 芯取菜の芥子醤油和え、すぐき菜のお浸し、小松菜の山葵醤油和え、いずれも要は葉っぱの お浸しだ。 「似たようなものをこれだけ、どぉーすんのよ」などと思うなかれ。 それぞれに個性がある のだ。 芯取菜は白菜に近い味と柔らかい食感で、少し水っぽさが感じられる。 小松菜は誰もが知っていようが、想像を裏切らぬお馴染みの味で、3者の中では中間の柔らかさ。 すぐき菜はシャキシャキした食感、蕪に似た味、山葵醤油によく合っている。 このお浸しがあれば、ご飯をいくらでも食べれるだろう。 いずれもベースは追い鰹のだし汁であるが、葉っぱの特性に合わせて芥子や山葵で和えてある のが板長のこだわりであり、やはりベストなのだろう。 和牛カルビは石の上に並べられ、エリンギ、ジャガイモ、クレソンが付け合わせとして添えられ ている。 (石は演出であって、その上で焼いたのではないような気がする) 好みに応じて、かぼす、塩、ワサビ、胡桃味噌が付けて食べるようだが、まず何も付けずに肉 だけで食べてみる。 !肉そのものの味も旨い! 柔らかくてジューシーで言うことなし! 次にかぼすを絞って垂らしたり、塩やワサビをつけたり、胡桃味噌を絡めて食べる。 どの食べ方でも肉の味が引き立つ。 こりゃ、素晴らしい! 私個人的には、塩とワサビが好きだな。 しかし、わずか5切れで¥2,500というのは困ったもんだ。 焼き肉村ではカルビ一皿 ¥500じゃなかったっけ? ここでは¥500で肉たった一切れ、しかも2cmx5cm程度 だよ! ・・確かに困ったもんではあるが、焼き肉村などと較べることは間違っている! グルメの鉄人たる者は、一切れ¥500の肉を食べるべきなのだ! まぁ・・しかし、旨いだけに、もうちょっと食べたかったなぁ・・ うん?もう一皿注文する? あと¥2,500?・・・まっ、いいかぁ〜、また今度ね。 出し巻き玉子はどうか。 これは溶き卵にだし汁(基本だし)を入れ、何度も巻き巻きして焼いたもの。 うむむ、素晴らしい! だし汁の量が最適なのであろう、固過ぎず柔らか過ぎず、だしの味が 主張しすぎることもなく、玉子本来の味をちゃぁーんと引き出している。 玉子好きにはタマラン ねぇ。 醤油がかかった大根おろしを少しだけ付けて食べれば、クゥ〜。 顔も自然にほころぶ大満足。 そして茶漬け。 焼き飯茶漬けの「焼き飯」とはチャーハンなどの炒め飯ではない。 まずジャコ飯をおむすび状 に握って、それを焼いたものである。 「ジャコ飯の焼きおにぎり」と言えばよいかな。 それの茶漬けである。 茶漬けといっても正確には追い鰹していない薄味のだし汁であり、それに刻んだ海苔とミツバ のみが入ったシンプルなものであるが、それらの味と食感が焼きジャコ飯とよく合う。 いい気になってサラサラとすすっていると「あれま、もう食べちゃった」となり、これまた 「もう少し・・」という気にもなる。 まぁね、それで止めておくのが大人である。 グルメの鉄人たる者、大食漢三人衆のように、 腹が破裂するまで食べることはしないのだ!? 今回は、素晴らしく美味いものをちょうど腹八分目食べた感じだ。 店の雰囲気も味も最高で、 やはりここは和食としては最高のスポットであるとの思いを深めた。 上記に飲み物(ウーロン茶と杏酒)を加え、合計¥7,440也。 着物姿のオネーサンと聞いても、村○さんや佐○さんは、この値段を見たら、行かないだろうね。 画像は、和牛カルビ(左)と出し巻き玉子(右)。 その他の料理についてはギャラリーを参照されたい。