最近「おにぎりカフェ」なる店が流行っている。 代官山にある「田田 (でんでん)」もそのように分類されるのだろうが、オーナーが 言うにはそうしたブームになる以前から店を開いているという。 ワンルーム・マンションに厨房とカウンターと客席を無理やり作ったような狭いスペ ースであるが、雑然としたところはなく、こじんまりとして落ち着ける。 「炊き方にこだわったご飯で作ったおにぎりと有機栽培の野菜を使ったヘルシーな 惣菜」が売りのようだ。 そういったコンセプトが受けるのであろう、この店の客は基本的には女性である。 おにぎりの具は約20種類くらいがメニューにリストアップされ、価格は\160〜\200 くらい。 好みのおにぎりと惣菜を適当に組み合わせて食べるのが基本的スタイル。 惣菜2品、漬け物、味噌汁、甘味が組み合わさった田田セットが\525でお得感がある。 用意されていれば、さらに\100で味噌汁を豚汁に変更もできる。 この日私は、田田にぎり(油揚げとおかか)(\168)と昆布(\168)に田田セット(\525)を 注文した。 炊き方にこだわったというご飯は、あまり明確な違いを感じられない。 あまりしっ かり握ってないようで、食べているうちに形が崩れたり、ポロポロと落ちてしまう ことがあるので、改善した方が良いと思う。 惣菜は「ピリ辛くず豆腐」と「小松菜のお浸し」。 ピリ辛くず豆腐には、絹ごし豆腐、 ネギ、グリンピース、生姜、唐辛子が入っている。 「こだわり」として「くず豆腐」 の葛は単独でなく生姜の葛湯を使っているものと思われる。 小松菜のお浸しは、小松菜、削り節、青海苔、だし汁などで作ったもの。   惣菜はどれも薄味である。 味噌汁の具は、なめこと豆腐(絹ごし)。 この日の甘味は、おはぎ(この季節のものは正確には「ぼた餅」というが)で、もち米、 小豆、黒胡麻を使っている。 不味くはないが、黒胡麻を入れたために、その風味が 強すぎて餡を存分に味わえないのが残念であった。 おにぎりの大きさはコンビニなどで売っているものと変わらないので、腹一杯にしたい なら、4つくらい食べなければならないだろう。 実際、私が食べている時にも、おに ぎりを4つ注文した女性がいた。 総じて、おにぎりも惣菜も絶賛するほどの味ではないが、ヘルシーなんだろうから、 まぁいいかなって感じ。 店の雰囲気も悪くはないが、この店のオーナーというかマスターというか、その人、 客には愛想が良いのだが、厨房で働くオネーチャンに対してずいぶん横柄な態度で接し ているのは大きなマイナス要因だ。 大きな声ではないのでお喋りに夢中になっている客には分からないだろうが、聞こえて いる客には気分が良いものではない。 by mr.G