日本の美しい四季。 季節の香りを大切にした和菓子を楽しませてくれるのが源吉兆庵である。 ようかん、最中、せんべい、くず餅を定番とし、季節おりおりの果物を使った和菓子等々、 そのどれもが日本人に生まれたことを有難く思わせてくれる。 昭和22年の創業以来、日本国内だけでなく海外にも直営店を展開し、日本文化の美しさ と心を世界あるいは次世代へ伝えていこうとしている。 一部の直営店には和菓子だけでなく、日本料理・甘味を楽しむことができる「松濤」を 併設しており、そこでは落ち着いた空間で、吟味された旬の素材に季節の彩りを映した、 目にも鮮やかな本格懐石料理や甘味を堪能することができる。 ・・ ただでさえ暑い毎日、あまり薀蓄をたれるとよけい暑くなってしまうので、この辺で切り 上げよう。要はあまりにも暑いので、ちょいと一服したのだ。 ここは銀座八丁目、源吉兆庵の3階、甘味処「松濤」である。このフロアにはテーブルと カウンター合わせて28人の席が用意されている(他にも食事できるフロアが2つあり、 それぞれ30人くらいずつ入れる)。 暑いから一服するのだから、注文したのは当然「宇治金時」(¥1,050)。メニューを 見て「あんみつ」にも一瞬惹かれたが、店に入る前からもうこれしか考えられなかった。 寒すぎないように調整された店内は、とても静かで落ち着ける。女性客が多く、当然オバ サンも大勢いるが、皆様上品な方々で、ファミレスなどで人目を気にせず喚くような輩は 一人もいない。 店の外は真夏の太陽が照りつけ、歩行者天国に人が溢れているが、そんな光景とは無縁の 空間である。 さぁきましたよ〜。 ちょっと大きめの陶器に盛られたかき氷は、見ているだけで涼しくなる。 日本の夏にはこれだね〜。 シャリ、シャリ。おぉ〜冷た〜い!シャリ、シャリ。キィ〜ン((頭に)きた〜)。 ほのかな苦味と甘味が程よい刺激となって茹だった身体を起こし、小豆餡と練乳が身体に 活力を与える。しかも甘すぎることなく、後味はさっぱり。 熱い番茶が付いているのが嬉しい。 喉が冷え過ぎたら、それでフォローすれば、何度でも冷たい刺激を楽しめるのだ。 たかがかき氷と侮ってはいけない。このかき氷には他では決して味わうことができない世界 があるのだ。 日本人に生まれたからには、たまにはこういうところで、日本料理や甘味に触れることを通 して、日本の良さを見直すのも良いと思う。 う〜ん、どこからともなく元気が蘇ってきたような気がする〜。 さぁ〜では、もう少し銀座散策を楽しみますか〜。