この店にはもう10年くらい来ていない。 初めて入ったのは、たぶん20年以上も前だろうか・・ ブルーマウンテン、マンデリン、ブラジル、キリマンジャロ、等々、当時はコーヒー豆の 種類が豊富にあり、それでいてお洒落な店の作りが人気だったと記憶している。 特に頼めば、店で使っている豆の販売もしてくれた。 超久しぶりに入ってみて、まずは店内をいろいろ観察する・・店内は、それほど変わって はいないようだ。 では注文するか・・!ほぇっ、メニューがまるで変わっている! 店内が変わっていなかったことから、以前よく飲んでいたコーヒーもあるだろうと安心し ていたのだが、残念ながら見つからない。 メニューを一通り眺めてみると、各種豆をストレートで淹れるようなメニューは廃止され、 代わって誰にでも受けそうな、どの店にもありそうな品ばかりが目立つ。 残念! やはり変化は深く静かに進行していたようだ。 この店に来なくなってから「この店のオーナーは千昌夫」だとかいう噂を聞いたこともある が、今はどうなってしまったのだろう? 後で調べて分かったことだが、今ではUnimatの傘下になっているらしい。 光陰矢の如し。 私は、気を取り直して、エスプレッソ・ダブル(¥630)を注文した。 エスプレッソの苦みとコクが足りない気がするが、私の好みに合わせたら、きっと他の客には 出せなくなってしまうだろう。 この程度が適度なのかもしれぬ。 いや、通常の客なら、これでも充分以上に濃いと感じ、エ スプレッソを飲んだ気になれるだろう。 次にアーモンド・オレ(¥735)を飲んでみた。 アーモンドの味と香りが感じられるし、ミルクとの比率も適度かな。 ついでにケーキも試してみよう。 入り口にあったディスプレィの中で目についたミルクレー プ(¥525)に決める。 これはクレープを何層にも重ねたものだ。 個人的にはクリームがもう少し甘くてもいいかなとも思うが、まぁこの辺が妥当なのかも。 この店ではパフェやフレンチトースト、西麻布「ドゥリエール」の手作りケーキ、そしてサン ドイッチやスコーンやフォカッチャまで賞味でき、さらに店によってはパスタやドリア等のラ ンチ・メニューまであるという。 そしてそれらをテイクアウトもできるという。 至れり尽くせりだが、それはすなわち、かつてのコーヒー専門店ではなくなってしまったとい うことなのだろう。 まっ、時代の要請に従ったということなのであろうが、かつての姿を知る者としては、何かを 失くした時のような寂しい気持ちを覚えずにはいられなかった。 画像は、スプレッソ・ダブル(左)とアーモンド・オレ(右)。