今度は国道一号線を小田原方面へ向かって山を降りる。来るときに通過してしまった 出山の鉄橋が次の目標だ。確か鉄橋のちょっと小田原寄りに車を置くスペースがあった はずなので、線路さえ見つかれば、今度は大丈夫だ。 山を下っていくと、線路をくぐった。その先の左側に車を停める。ここに、車が渡れそう な橋があった。しかし、頑丈な吊橋ではあるが、古そうだ。しかもあたりは真っ暗。 えらい不気味な雰囲気を醸し出している。その橋の上から出山の鉄橋を撮影する。が、 真っ暗で何も写らない。帰ってからいろいろと写真を加工したが、どうやっても橋は 浮かび上がってこない。初めてまったく橋が写らなかった。(写真左) 一応先ほどの橋から歩いて少し道を戻り、線路をくぐってみるが、こちらからも橋は 見えない。しかたなく、線路が道路をまたぐ橋を撮影しておいた。(写真右) 出山の鉄橋は通称であり、正式名称は早川橋梁というようだ。この橋は箱根登山鉄道敷設 工事のなかで最大の難関であったらしい。この箇所は、橋梁架設をするには最悪の地形であり、 川床から架設部まで43もの足場が組まれて工事が行なわれたとのこと。また、当時第一次 世界大戦の最中で材料の調達も苦労したらしい。鉄道院払い下げの天竜川橋梁(静岡県)が 転用され、大正6年(1917)に完成。わが国に現存する最古の鉄橋であり、国有形文化財 に登録されている。 また、道路をまたいでいる橋の部分は当時踏切だったらしい。大正14年(1925)の 国道改修のときに、道路は線路の下を通るように改修されたとのこと。